ドライアイについて
ドライアイは様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがあると定義されています。以前は角膜にキズがない場合はドライアイから除外されていましたが、現在では上記の状態が認められればドライアイと診断されるようになりました。
ドライアイの症状は、単に眼が乾くだけではなく、異物感や痛み、充血や目やに、眼の疲れやかすみなど非常に多彩です。そのほかにも角膜表面のキズや不安定な涙液層によって眼に入る光の散乱が起こるため、まぶしさや視力低下を訴える方も多くいらっしゃいます。自覚症状の程度も幅広く個人差の多い疾患です。
ドライアイは、涙自体の量が不足しているタイプと、涙の量は減っていないにもかかわらず、涙の蒸発が早かったり、涙の構成成分のひとつであるムチンなどの不足によって涙液の安定性が低下しているタイプにわけられます。また、コンタクトレンズ装用、パソコンなどのディスプレイ作業、喫煙、エアコンの風が直接当たる環境などはドライアイの悪化要因となることが知られています。
ドライアイの治療
どのタイプのドライアイなのかを診断し、不足している成分を補充したりすることで眼の表面の環境を整えてあげることが治療のコンセプトになります。点眼治療が基本で、人工涙液やヒアルロン酸製剤、ムチン分泌を促進する点眼薬などによる治療をおこないます。点眼治療だけで改善しない場合は、涙の排出路を塞ぐことで眼の表面にとどまる涙の量を増やす涙点プラグなどの治療をおこなう場合もあります。